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人間にとっての“いい香り”も、虫たちには単なる刺激臭でしかないようで、ハッカは、虫除けとしてもすぐれた性質を持っています。
ヨーロッパのエリザベス朝時代には芳香を楽しむとともに、ハエよけ・ノミよけ・殺菌といった現実的な目的に利用していました。また、修道院で作られていた、シャルトルーズやベネディクティンといったリキュールは、ハッカが主成分ですが、当時は楽しみのためでなく、薬として、消化不良の時などに大切に飲まれていました。消化を促進する=内臓の働きを活発にするということですから、ハッカは、食欲増進剤にもなります。
ハッカには、油脂分をよく分解する性質があって肌や髪をさっぱりさせ、さらに殺菌効果もあるので、ヨーロッパでは古くからシャンプーや、石鹸の材料として使われていました。トニックシャンプーはこの特性を生かしたものです。ハッカはまた、脂性の髪用のリンスとしても使われ、乙女たちの“サラサラヘア”願望に応えていました。
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ハッカには消化を促進し、炎症を鎮め、吐き気を抑えるという効能があり、お腹が張る時や痛いとき、つわりで苦しく“何も口に入れたくない”時などに、煎じて飲まれていたのです。風邪でノドが痛いときは、エキスを吸ったり、うがいをして炎症を鎮めました。
“安静にしてゆっくり眠りなさい”とお医者さまにいわれたら、温かいミントティを飲むのもいいかもしれませんね。
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どちらも学名はミンタ(Mentha)。つまりハッカとミントは同じものです。英語ではミントと読み、中国では薄荷と呼ばれました。
ハッカには大きく分けて和種と洋種の2種類があり、和種は日本・中国・インド・ブラジル・パラグアイなどで栽培されています。清涼感が強く、メントールの結晶を抽出しやすいため、現在各種の製品に利用されているのは、ほとんどこの和種です。
洋種はいわゆるミント。ペパーミント、スペアミントなど多くの種類があります。主にリキュールや料理などに利用して香りを楽しむためのもので、アメリカ・中国・ヨーロッパで栽培されています。
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シソ科の多年草植物。主な成分はメントール。
メントールの結晶とハッカ白油が精製されます。
精製されたメントールの純度は99.5%ですが、
残りの0.5%もハッカ白油の成分ですから、
100%ハッカであると言えます。
精製方法は実に単純。夏、花が咲く直前に刈り取られた
ハッカの葉を水蒸気蒸留して、できたハッカ原料油を冷却すると、
いろいろな製品に使われる結晶=メントール・クリスタル(ハッカ脳)に。
原料油を再蒸留すると、香りの良いハッカ白油=ペパーミント・オイル
になります。
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化学合成から作り出されたメントール。合成メントールには、
1.石油から合成されたもの。
2.松脂やパルプの副産物から合成されたもの。
などがあります。いずれも多くの化学反応を何度も繰り返してメントールを作り出しますが、どちらの場合も微量の異物が残留します。この残留物の成分全てが確認されたとは言えません。
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